多重債務などによって多額の借金を抱え、もはや返済の目途が全く立たなくなってしまった場合の債務整理方法として『自己破産」があります。自己破産とは裁判所において破産宣告を行い、同時に全ての借金(税金の滞納分は除く)を免除(免責)してもらう法的手続きです。自己破産という債務整理方法を選択した場合、自己破産の申し立てを行った時点における全ての債務と財産を裁判所に報告する必要があります。この際、不動産や株券、多額の預貯金を所有している場合には、管財人(弁護士)が付く管財事件となり、手続きが複雑、長期化することになります。
逆に所有財産が無い人のほうがスムーズに手続きが進むと言えます。自己破産では、破産申し立てと同時に免責許可の申し立ても行われます。この免責の許可が下らなければ、借金は消滅しません。ある意味、自己破産という債務整理で一番重要な手続きとなります。
申し立て後には、裁判所から呼び出しがあり審問が行われます。ここでは自己破産申立書に記載された内容の確認が行われます。その後は裁判所内での手続きが粛々と行われ、1ヶ月程度で破産宣告があり、その後免責許可の手続きに移行。ここでも特に問題が無ければ免責の許可が下り、この時点で申し立て時に申請書に記載した債務全てが消滅します。
もし、記載漏れの債務があった場合には、免責許可が下る前に申告する必要があります。そのまま何もせずに免責許可が下りても、記載漏れの債務については免責の範囲外となってしまうからです。